オーエスグループのDX化 ERPシステム「Ameios Navi(アメイオスナビ)」

~顧客・グループ各社・サプライヤを有機的に連携する(SCM)ERPシステム~

オーエスグループでは約30年前の1992年にオンライン基幹システムを導入して以来、ITを活用した社内システムの運用に積極的に力を入れています。現在は2019年より稼働した第3世代の基幹システム「Ameios Navi」がオーエスグループを支えています。

我々の課題は、他の中小企業様と同様の課題です。そのため社内の課題だけでなくDX化にお困りのステークホルダーの方々に対しても ITサポート構築のお手伝いができるよう、「AmeiosNavi」は日々進化を続けています。

オーエスグループが目指す姿

AmeiosNaviは「WEBによる取引先様とのサービス強化」を目的の一つとし、オンラインでオーエスグループと顧客、サプライヤを有機的に連携し、原材料の調達から最終製品の提供に至るまでの全てのプロセスを統合的に計画・運用・管理する「サプライチェーンマネジメントシステム」を備えています。

加えて、財務、会計、人事、調達、製造、品質管理、在庫管理、見積、販売、物流、施工などのグループウェアを一つの統合されたプラットフォームで管理し、ERPシステムとして、ビジネス全体の効率性と可視性を向上させるため日々アップデートを行って参ります。

これらの情報は、AWS(Amazon Web Services)のクラウドコンピューティングサービスで管理され、安定した運用を実現しています。


Ameios Navi導入の背景

1990年代より「日本の人口減少(労働力不足)」と「知識と経験がベテラン社員に集中する属人的な業務」が将来深刻な経営課題になることを見越し、30年以上に渡りERPシステムに投資して参りました。

総合AI(AV×IoE)システム企業として日本から世界のオーエスグループへ変革を目指す方針を掲げ、その方針を実行するための業務改革を強力に推進し、IT面でのサポートを実現する第3世代基幹システム「Ameios Navi」が誕生しました。


Ameios Naviの活用

① 営業・技術・業務 革新
➤ プロジェクト管理 ➤ 見積管理 ➤ 生産管理
➤ 品質管理 ➤ 物流管理 ➤ データ分析

② サプライチェーンマネジメント(SCM)
➤ EDI取引 ➤ 顧客Webサービス
 

① 営業・技術・業務 革新
➤ プロジェクト管理

活動原価基準管理(ABC:Activity Based Costing)の考え方をシステムに取り入れ、案件発生から業務完了までのプロセスをすべてプロジェクトナンバーで管理します。
例えば営業部門の得意先訪問・打合せに掛かる工数や技術部門の下見や設計、現場管理、施工の工数をAmeiosNaviに入力し、工数費用をプロジェクトに計上します。不明確な間接費をアクティビティ(活動)ごとのコストに細分化して配賦することによって、製品・商品・物流・施工のコストを正確に把握し管理することができます。

➤ 見積管理

製品・商品・物流・施工に関する情報がデータベースに事前に登録されており、見積書作成の際、手入力を最小限に抑えることができます。このアプローチによって、作業の効率化が図られ、入力ミスのリスクも軽減されます。
特に、物流・施工に関しては、商品選択と同時に価格情報がパターン展開される仕組みが活用されており、従業員の知識や経験に関わらず、一貫性のある見積書を簡単に作成することが可能で、時間と労力が最小限に抑えられます。

➤ 生産管理

品質(Quality)、原価(Cost)、納期(Delivery)の最適化を実現するため、生産計画、受注の管理、在庫、製造部門の工程・工数の調整など生産管理をすべてオンラインで情報共有を図っています。
スクリーンやLEDなどの映像デバイスや機械装置、ソーラー、バッテリーなどグループが展開する多様な事業において、お客様の「キモチをカタチに」を実現する少ロットや試作のカスタムオーダーにも柔軟に対応できる体制を構築しています。

➤ 品質管理

工程前の受入検査から工程後の出荷前検査まで、製造プロセスの全工程における品質のばらつきを防ぐための検査を実施しています。最終工程の出荷前検査の情報はオンラインで保管し、品質の高い製品を定められた納期通りにお届けしています。
製品にはシリアルナンバーが付与され、完成までの状況をトレースできる仕組みを整えています。シリアル情報はオンライン化され、営業部門から生産部門まで同一の情報を共有し、ものづくりの根幹を支えています。万が一のクレームに対しても迅速に対応できる体制が備わっています。

➤ 物流管理

出荷倉庫と資材倉庫を備え、製品の出荷情報及び、製造時の部品の払い出し情報は全てオンラインで保管しています。部品や製品の「入庫管理」「在庫管理」「出荷管理」はリアルタイムで情報を共有し、調達部門、生産部門、物流部門を支えています。
注文情報~出荷指示まで、情報は一気通貫で管理されるため、製品の誤発送を防ぎ、お客様のもとへ直接配送による短納期化を実現しています。

➤データ分析

基幹データベースの情報を高速集計し、様々なデータを分析するための基盤を構築しています。
販売/仕入分析・推進案件管理・PSI管理・在庫管理・取引先情報管理・マーケティング効果分析・予算管理・債権/債務管理など様々なデータ分析は、ビジネスの効率化や戦略的な意思決定を強力にサポートします。

② サプライチェーンマネジメント(SCM)
➤ EDI取引

オンライン上で顧客からの注文の受注/出荷/売掛計上/請求業務、サプライヤへの発注/納期回答/出荷/受入れ/買掛計上/支払通知までを一貫して行います。
業務工数の効率化や正確性、コスト削減を実現し、またデータ化される事で即座に債権・債務が確定し、資金繰り改善にもつながります。

➤ 顧客Webサービス

24時間/365日、いつでもWEBを通じてアクセスし時間や場所に制約されずに商品情報や価格情報、納期確認などのサービスを構築中です。
顧客の利便性を向上させ、企業と顧客のコミュニケーションと関係を深化させると共に、顧客の利用データを分析することで顧客行動の傾向や優先事項を把握するなどサービスの改善にも活用できます。

Ameios Naviがもたらすベネフィット

グループ会社共通のERPシステム

大きな特長の一つに見積作成からワンクリックで → 受発注生成 → 製造/出荷/作業指示→売上(納品/請求書発行)までグループ会社間、部門間を一気通貫で横断するシステムであることです。もちろん、グループウェア、BIシステム、会計/人事労務/販売支援/施工など各種システムもグループ共通で利用しています。

グループ内各社で独自のシステムを構築するのではなく、グループ会社全て(国内6社)が共通のシステムとデータベース・プラットフォームを共有することで情報を一元化しています。更に共通化の利点として、各グループ会社は独自システムの構築が無くなることでシステム運用コストも削減でき、セキュリティも共通の基準とアクセス管理を適用することで向上されます。

これらのメリットにより、共通のERPシステムの導入はグループ会社間での連携と効率化を促進し、組織全体の競争力の向上につながります。

DX化促進による社内リソースのITリテラシーの向上

AmeiosNaviの運営・管理・メンテナンスは、情報システム専門部署やITベンダーへ頼るのではなく、各グループ会社から選抜された営業・技術・業務・管理部門など各現場業務を担当するメンバーで構成された「AmeiosNavi推進チーム」で実施しています。

グループの目指すべき姿と方針を共有し、実現に向けたシステムアップデートを行っています。AmeiosNaviを「IT学習ツール」としても捉え、DX化というテーマを実践していくことで、急速なテクノロジーの進化とDXの拡大に対応するIT人材の育成・リスキリング(再教育・スキル向上)にも効果を発揮しています。

安定したシステム運用のためにAWSを採用

クラウド利用までの背景

以前は、大阪(本社)、東京(本部)、兵庫(工場)の3つの地域にオンプレミスサーバーを分散設置していましたが、いくつかの問題がありました。

ひとつはハードウェアのトラブルや定期的なメンテナンスなど、サーバーの運用に関連するコストが高額であることです。さらにはサーバーが分散して設置されているため、ハードウェアのトラブルが発生した場合、遠隔地からの対応が難しく修復までの時間がかかることがあり、業務の停止や遅延が発生するリスクが高まっていました。また、BCP(Business Continuity Planning)対策においても問題があり、災害が発生した際にデータの復旧や業務の継続が困難であり、会社全体の持続に影響を及ぼす可能性がありました。

課題解決のためのクラウド活用

課題であった物理的サーバーの運用やメンテナンス、復旧対応に関するコストを劇的に削減することに成功しました。また、クラウド導入の効果としてシステムアップデートへの柔軟性とスケーラビリティが向上、セキュリティ対策、BCP対策が大きく強化されました。

これらの成果はDX化促進にも大きく貢献し、より効率的で迅速な業務プロセスが可能となり新たなイノベーションを推進する環境が整いました。

※クラウドにはAWSを採用しBCP対策にも注力しています。

イベント情報

AWS デジタル社会実現ツアー 2023 8月大阪会場のセッションに登壇